11月25日にワンマンを控えたBYEE the ROUNDと251を深掘るインタビュー。

11月25日にワンマンを控えたBYEE the ROUNDの松山晃太(Vo, Gt)さんとSO(Ds)さんにお話しを聞きしました。バイザと251、河崎との歴史を徹底的に。

河崎:よろしくお願いします。出会いは昼の部のオーディションだよね。
晃太:そうっす。まず下北でライブをやろうってなって。当時ライブハウス全然詳しくなかったんでとりあえずなんかブラブラ下北を歩いてたらニーゴーイチってとこあったよみたいな感じで、デモテープを送ったのがきっかけですね。その当時は昼の部のオーディションライブって結構他のライブハウスでもあったじゃないすか。251の昼の部に出てめでたく夜の部に出ることになったけどね。
SO:うちのベースのオオイのお姉ちゃんがイベンターをやってたのでロック業界に詳くて。まずは吉祥寺WARPとか下北沢ERAとかそこら辺からだろうと言ってたんだけど、晃太は青森から来たばっかりで何もわからないまま251にデモを持って行ったらオオイがすごい怒って、「何でそんな格上のライブハウスにいきなり持って行ったんだ!」とちょっと一悶着あったよね(笑)。オオイは絶対に落ちると言い張ってたし。
河崎:昼のオーディション落ちたらブッキングの人を殴って帰ろうみたいな。
晃太:ちっちゃい声で「もしブッキングが変なこと言ったら俺がワンパン入れっからお前らついて来い!」みたいなことは言った気がする。
SO:その時担当したのが河崎さんでそれが出会いでした。「かっこよかったよ!」とか言って来て。嘘でしょって。
河崎:2003年くらいのことだね。20年近く前の話(汗)。
晃太:その後ギターがサトシからオムロに変わったり、動員も伸びず微妙な時期を過ごしてました。
SO:251は当時ノルマもあって、生活苦しくなってきて(笑)。
河崎:ガス代を払う払わないで打ち上げで喧嘩してたね。
SO:サトシは当時生肉をライターで炙って食べてましたし。
晃太:あの当時結構キツかった。生活どうのこうのより上手く行かねぇな、と。
河崎:そんな時期に急に「外で修行して来ますので当分251は出ません!」と宣言があり、もう251には帰ってこないだろうなと思ってたら、半年後くらいに「すげぇ成長したのでもう一度出ます!」と連絡があって。「おっ!帰って来た〜」と思って久々に見たら全然変わってなかった(笑)。
SO:多分何も考えてなかったんだと思います。
河崎:そのライブの打ち上げで「俺の経験と知識でよければアドバイスさせてくれ」と言ったような気がする。
晃太:そうそう!見るに見兼ねて。「まずセトリを決めよう」と言われた。あと「チューナーを買おう!」とも。当時は音叉を使ってたから。
河崎:音叉は悪くないけどね(笑)。その後サトシが戻ってきてレコーディングをやることになったよね。
SO:そう、3枚目『ギブミー ア チョコレート』で河崎さんにプロデュースしてもらいました。河崎さん寝てましたけど。
晃太: 8曲を1日ですよ!
河崎:うそー(笑)。
SO:昼の12時集合。終わったの朝4時だったじゃないですか。
河崎:朝の?
SO:歌録りが夜中の1時からで、晃太が頭にタオル巻いて壁を殴りながら歌ってたのを覚えてます。
晃太:二度とやらね〜と思ったもん。
河崎:俺のタイムスケジュールもすごいね。
SO:あんたは寝てたから(笑)。
晃太:イカれてますよ。全て一発録り。考えられない。
SO:「お前らの持ち味が出ない、一発録りじゃないと」って河崎さんが言ったので。
晃太:でも、その後の俺の人生経験的には石杖になってるんです。あれが出来たんだから頑張れば何でも出来るみたいな。
SO:そうだね、今でもライブで『ギブミー〜』の曲をやっているってことは自分らにとってもスタメンのアルバムということだしね。
河崎:売り方も手さぐりだったなぁ。門前払い事件とかを乗り越えてね(笑)。ツアーにも初めて行って。
SO:そのツアーの京都のライブで俺が「ロッソ」を壮絶に間違えて、晃太が「ロッソ」はもうやらないって言い出して。もう一回チャンスくれって言ったのすごく覚えてる(笑)。でも楽しかったね。

もうバイザは251に出ません!

河崎:2nd Mini Album『アナザー ガール プリーズ』はかなり大変だったよね。
晃太:今聴くとすげーいいよね。半端ない。
SO:墓に一枚だけ持っていくとしたら『アナザー〜』ですよね。
晃太:当時俺、自分たちの荒さとか下手な部分がすご嫌だったんですよ。周りのバンドはみんな上手くて。すごいコンプレックスで嫌で嫌でしょうがなくて。でも今聴き返すとすげぇ〜いいんですよ。そういうプロデュースしてくれてたんだなと思った。
SO:レコーディング中に初めて右足が動かなくなったりとか、色々あったので一番聴きたくないアルバムだったんだけど、酔っ払って聴くととグッとくる。演奏どうこうじゃなく。
河崎:俺も含めて全員ガチでやってたのが音に出てるよね。
晃太:そう、誰もこなれてない。あんな音源今録れない、狙って録れる音じゃないね。
河崎:プロデュースも頑張ったけど、良かったのか、悪かったのか悩む時期はあった。
晃太:全員が手探りでしたもん。人を救える盤だと思いますよ。
河崎:会社からミックスをやり直してくれと依頼があって「どうしたらいいんだろう?」と悩んで、『ギブミー〜』をミックスしてくれた北村さんにミックスを全てやり直してもらったりね。
晃太:いろいろありましたね、ドキュメンタリー録れるな、このバンド。
SO:プチメタリカ!下北のメタリカ(笑)。
河崎:いいスタジオで録音して、下北の(当時251系列のスタジオ)TRI-TONEでミックスし直して、マスタリングはソニーの茅根さんにやってもらって。変な音像なんだよね(笑)。
SO:(笑)、チープなのに豪華。「She just a〜」のイントロのギターの音とかやばいもん。


河崎:その頃、一つ覚えてるのがオオイがブッキングの窓口をやってて色々話してたら「河崎さんもうバイザは251に出ません、クレストでやっていきます!」と言われて。俺も若かったから「あ、そう」みたいに返したけど、実はすごく悲しかったんだけどね。
SO:ありましたね。俺らもその時期お客さん増えて来てるけどなんかにっちもさっちも行かない感じで新しい場所を探してたので。
河崎:そうね。今考えるとそうやって言い合える関係性は良かったんじゃないかと思うけど。
晃太:その次の1st Full Album『バイザラウンド』は俺がプロデュース。全部一回自分でやってみたかった。今聴いても間違ってないとは思う。楽曲にも自信あったし。でも河崎さんに酷評されたの覚えてる(笑)。
河崎:そうだっけ?
晃太:分岐点になる作品だったかな。新しいお客さんが増えたし、離れていったお客さんもいたと思う。その後メジャーに行って2作出して。その頃251にはあまり出てなかった。
河崎:そうだね、事務所もメーカーも付いているバンドなので「あとはしっかり売れてくれ!」的な気持ちだった。
晃太:そして『ニンゲンジオラマ』か。
SO:その時期は「売れる、売れないって何だ?」とか悩んでまして、よく考えたら俺ら4人とも売れるってことをちゃんと考えたことなんか一度もないんだと(笑)。
晃太:3回ぐらいライブやったらメジャーからオファーがあって、1枚か2枚アルバム出して武道館行って、契約金が1億ぐらい入るんでしょ。って勝手に思ってた。
SO:あれ、結構やったのにそうなってないぞ?って思って。
晃太:その頃から色々問題が起こり始めてね。メンバー間も険悪になって、にっちもさっちも行かないけどアルバム作ることになってたから「河崎さんに頼むしかない」ってなった気がする。
SO:一回原点に帰りたいってなったんだと思う。メンタルケアもお願いします的な。
河崎:裏テーマは感じてました(笑)。
SO:俺らにとってはリックルービン。本質だけを見抜いてくれて。
晃太:当時の俺らに付き合ってくれた河崎さんはヤバイと思う。めちゃめちゃだったしみんな。エネルギーが有り余ってたし。
河崎:『ギブミー〜』、『アナザー〜』を経て『ニンゲンジオラマ』だから新たなものが出せたらと思って頑張ったよね。
晃太:次の作品もまた頼もうか?
SO:いいね。
河崎:いや、もう体力が、、、(笑)。

サプライズが見たければBYEE the ROUNDを!

河崎:その後3年半くらい活動休止を経て復活。
SO:復活も河崎さんきっかけじゃないですか。
晃太:5人で飲んだな。
SO::俺の中では優しい嘘と言っているんですが、河崎さんから俺に電話があった時「全員やるって言っている、あとはSO次第」と言われて。でも実はそうじゃなくて。そこからメンバー全員に河崎さんが連絡取って説得してくれて。優しい嘘がなかったら今バイザやってないかもしれない。
河崎:どうしてもあの時期にバイザを見たくて(笑)。でも案の定最高だった。その後の活動はメンバー任せだったからちょっと無責任かなとも思ったけど、バイザは現在も活動しているしね。
晃太:いや、お客さんが待っててくれてたのが一番のメンバーのモチベーションになってて。それが全て、それがなければやってないと思います。
河崎:今現在バイザとGRAND FAMILY ORCHESTRAの2バンドを動かしているんだけど、その住み分けはどんな感じなの?
晃太:メンバーのプレイスタイルとかを想像しながら曲を作っているので。この感じはあいつが得意なんじゃないかとか、曲ができた時点でこれは絶対にバイザだとか。自然にできてます。楽しく毎日過ごさせてもらってありがたいなと思います。
河崎:11月25日に久々に251でワンマンをやってくれるバイザですが、今後予定は?
晃太:まず我々BYEE the ROUNDが20周年でして、251でワンマンやろうとなり蓋を空けてみたら251は30周年という。11月がアニバーサリーってことも知ってたので。自然な流れですね、初ワンマンも251でしたから。
河崎:ありがとうございます。
晃太:あと、河崎さんに昔言われて覚えているんですが、バンドは新曲を作らないとダメになるって言ってて。曲を常に作らないと、ペースはどうあれ。俺の音楽活動の根幹にそれがある。バイザもGRAND FAMILY ORCHESTRAでも常に根幹にそれがある。バンドで曲を作って行きたい。
河崎:曲が出来るとライブがしたくなる。
晃太:そう!
SO:でもさー、毎回毎回ちゃんとリハ通り、セトリ通り出来たことがないバンドだからね。ただの一回も(笑)。
河崎:(笑)、ロックバンドですから。
SO:サプライズが見たければBYEE the ROUNDを是非どうぞ!
晃太:何かがある。わかんないけど(笑)。
河崎:ありがとうございました。


2023.11.25.sat

“愚かな民〜ちなみに僕らも20歳、こんなに大人になりました〜
CLUB251 30th Anniversary”

出演:BYEE the ROUND
TICKET:イープラス


https://twitter.com/byeetheround