結成当時から251に出演してくれたIRIS MONDO、今年も恒例の生誕イベントを12月4日に控え、紆余曲折もなんのその、現体制となり未来を見据えたメンバーに251の思い出も含めて5,000文字オーバーのインタビュー!
―― よろしくお願いします。もう251とも長いお付き合いとなりましたね。
スーパーさったん(以下、さったん):そうですね。IRIS MONDO結成自体からも実は長いので。でももうくるみちゃんがボーカルの期間が一番長くなりました。
―― 251に初めて出た時の事は覚えてますか。
くるみスカイウォーカー(以下、くるみ):そうそう、さったんがここに出たい!って251スタッフに言ったんだよね?
さったん:そう、「私を出せ!」と(笑)。2015年の7月頃かな。それで251の夏イベントに出してもらえました。THE TEENAGE KISSERSが当時好きだったからそういうタイプの曲作って出ようって(笑)。
くるみ:251ウケをね(笑)。
さったん:最初からギターがバーン!って爆音出す曲で。で、その曲が後の362(サンロクニという別名義バンド)に繋がるんだけどね。そっか、その時はまだ水鉄砲とかやってないか、それから色々迷走して(笑)、エンタメに傾向していって水鉄砲とかをやり出すようになったね、傘とかシャボン玉とか。
くるみ:その頃知ってる、私も(笑)。
さったん:当時くるみちゃんがやってた減色シアターというバンドともその頃よく対バンしてたし。翌年の2016年1月にパーリーピーポーという自主企画を251でやった時に出てもらったよね。
くるみ:はい、パーティーピーポーバンドやってました(笑)。それで251に初めて出たのかな。
さったん:あの頃は周りにエンタメ色が強いバンドが多くて、お互いそうだったんですよね。
くるみ:流行ってたのかな当時は、うちらの界隈で。
さったん:多分そういうのを251に持ち込んでしまったのが私たちで(笑)。
―― 全然よかったですよ(笑)。
さったん:251ってね、なんかオルタナとか硬派な感じのバンドが出てるイメージのハコなのにうちらが水鉄砲とかやり出しちゃって。
くるみ:ライブをエンターテイメントとして見せたかった時期だったね。ライブ中にテキーラを飲むパフォーマンスとかやってましたし。誰が面白い事をするかとか、どちらが真のパリピかって競い合ってたね(笑)。
さったん:その当時のIRIS MONDOもくるみちゃんの減色シアターもそれぞれコンポーザーが別にいて、そのコンセプトに合わせてた部分もあったので。
くるみ:そう、ビジネスパリピでした、完全に(笑)。ね、今はパリピとかじゃないから。ビジネスしなくていいから(笑)。
さったん:自分もステージで謎にお菓子食ってたし(笑)、もう今考えたら信じられない。ステージをなめるなと!
くるみ:トライだったよね。
さったん:そう、それでゴールデンボンバーぐらい売れてたらいいんだけどさ。
くるみ:そうだよ、許されない売れ具合だった(笑)。
さったん:251の店長ってめちゃ厳しいってよく聞いてたんですけど、当時結構好き勝手やってるのに私達あんまり怒られたことないなと思ってました(笑)。
―― そうでしたっけ?音楽的な部分もエンタメの部分も変化していきましたよね。
さったん:そうですね、IRIS MONDO自体もメンバーチェンジとか色々あったし。
くるみ:そうね、自分が加入して4人組で活動してた頃、その時期が一番251に出てたかもね。エレクトロとかEDMが好きだったのでツインボーカルでエレクトロガールズバンドっていう感じでしたね。入った時はEDMっぽさを出していこうというのと、みんな女の子だったのでパリピぽい感じはまだ残ってたかな。
―― 2020年12月4日のライブでこの編成でのラストライブ、それから現在の2人編成にシフトとの事ですが、単純に喧嘩とかしないのですか?
さったん:結構言われるんですよ、バンドって仲が良すぎるとダメみたいな。
くるみ:全然喧嘩もしますよ、言いたいことを言い合うけど関係が悪化する事もない。もともと普通に仲良くて加入したんでずっと仲良しです。クリスマスとか結構一緒に過ごしてるし、バンドじゃない事も「今日何があった」みたいな恋人みたいなLINEしたり(笑)。
さったん:(笑)。長い歴史があるバンドだけど、2人編成になってからの方がなんか濃いというか、一番語れる部分が多い。音楽の部分もそうですね。やっぱそれって自分たちで曲も全て作ってるからというのが大きいのかな。曲に対しての拘りとかも2人になってから初めて今ちゃんと語れてるというか。今までやってきたエレクトロやデジタルっていう部分は残したくて今はデジタル×オルタナティブみたいな感じのコンセプトかな。
くるみ:自分も曲を通して伝えたい思いっていうのが今の方がすごく大きくなりましたね。2人になった今が一番強いかもしれない。
さったん:今は完全に作詞作曲から編曲アレンジも全てIRIS MONDO 2人でやってて。
シンセの音とかも自分達で入れて、ライブでのマニュピレーターも自分たちでやってっていうスタイルで今年の夏からやってるので、ここからもまた変わっていくと思うんですよね。
―― なるほど。作詞の部分は大変ですか?ネタ切れとかありませんか?
くるみ:大丈夫です。わたし結構世の中に対して不満持ち持ちタイプなんで(笑)、結構自分の人生に対して悔やむタイプなので、掘れば掘るほど出てきますよ。なので今のところ(枯渇せず)潤ってます、湧いてきますね。
さったん: 12月4日はワンマンライブなので、この日は新曲もやりたいなって思ってます!
―― 先日のライブも汗だくになってやってましたね。
さったん:そうですね、自分って代謝悪くて今まで汗かかないのかなって思ってたら、2人になってからめっちゃ汗かくんですよ。その前はそんな激しい曲がなかったっていうのもあるけど。
くるみ:確かに。汗のかき具合が違う。前髪なくなっちゃいますもん、もう気にしてないけど。
さったん:ジャズマスターを使い始めたのもここ2、3年で、元々オルタナとかそういう音楽が好きだったけど、2人になってIRIS MONDOがここまでオルタナティブになると思ってなかったんです。だから、やりたいことを自由にできてる感が嬉しいですね。
―― ライブでギターアンプの音量も大きくなったのでは?
くるみ:はい、慣れました。ギターはうるさすぎるのでモニターに返してもらってないです(笑)。
―― ライブバンドですね。会場も盛り上がってましたし。
くるみ:YouTubeとか TikTok見てきたっていう外国の方も増えて嬉しいです。
さったん:なんか最近当たったんですよね(笑)。IRIS MONDOの翻訳チームがいるんですけど、歌詞を全部訳してもらって字幕を付けて海外への発信も頑張って。TikTok 自体はずっと頑張ってたんですけど、今回の当たりをキッカケに自分で数えてみたんですけど53日目で当たりました(笑)。10月後半にあった沖縄のフェスが終わって、東京帰る日ぐらいに急に再生回数上がり始めて「なんかあれ?、来てるかも」って。海外でTikTok でバズったのかと思ったら全然違くてリーチしてるのが日本人で、何がどう刺さったのかはわからないんですけどね。
くるみ:その沖縄のフェスに出てた香港のバンドもIRIS MONDOことをすごく気に入ってくれて、インスタでシェアしてくれたんですよ。その後に「比と並」という曲が香港のR&Bチャート1位に急にランクインしたりね。
―― SNSを使ったプロモーションも得意な方ですよね。
くるみ:いやぁ、私は苦手な方で、なんかバズるとか今回初めてなんですよね。世界的に見ると日本のバンドやIRIS MONDOって凄くわかりづらい音楽ジャンルだと思うんですよ。ジャンルに縛られない音楽スタイルというか ポエトリーもあれば凄くロックな曲もあって。
さったん: 2人だからこそ逆に一番いろんな音楽性でやっていいかなって思ってます。これが4人のバンドだと方向性が定まってないとかって言われそうですけど、2人ってなんだろう、ほぼソロアーティストに近いというか、ジャンルにとらわれなくていいと思ってるんですよね。生ドラムで音源を作ることもあれば 打ち込みにすることもできるじゃないですか。それは2人編成の特性というか、いいなと思ってて。
くるみ:今回はポエトリーの方がバズってるんですよ。その曲はリアルに人の心に寄り添ってる歌詞を書いてるから凄く刺さるのかなって思いました。
さったん:しかもTikTok受けを狙った曲を作ったわけじゃないんです。TikTokっぽい曲作ろうとかってのは嫌だったんすよ、自分は。振り付けつけた動画出したりね。なので、自分達がかっこいいと思う曲がたまたまバズってよかったなって思いますね。
―― なるほど。今年は全国のライブハウスに出演されてましたが、ライブハウスに対する思い出や感想を教えて欲しいです。
さったん:トイレ狭いとか?(笑)
―― すみません(笑)。
くるみ:今年初めてMINAMI WHEEL、SAKAE SP-RING、仙台MEGA☆ROCKSという名のあるサーキットライブに出させていただいたんですけど、各地から力を持ったバンドの猛者が集まってるじゃないですか。そういう緊張感のある場をやっぱりこれからも増やしていきたいなって思いましたね。
さったん:プロレスのリングみたいな感じ。
くるみ:MINAMI WHEELはメインの会場から一番遠いとこだったので絶対お客さん集まらないと思って、前日入りして必死になってチラシ配りました。もともとチラシ配りバンドなんで。
さったん:チラシ配り芸が得意なんでね(笑)。
くるみ:そのお陰で満員になりました。もらったからには行かなきゃいかんでしょ!っていう義理堅い方、約束は絶対守る!みたいな方が多くて、私その義理堅さに感動しましたね。ステージ出た瞬間に配った人みんないるじゃん!みたいな。
さったん:仙台もIRIS MONDOでは今回初めて行きました。自分が高校生の時にenn 2ndと3rdには出てたんですよ。当時のバンドをスタッフさんが覚えててくれて。
くるみ:仙台MACANAにもポスター持ってご挨拶に行ったんですよ、MACANAのスタッフさんもさったんの事覚えてて「あー、あの子ね覚えてるよ!」って迎え入れてくれたんですけど、「ブイブイ言わせてんな、この人(さったん)!」と思いましたね(笑)。
―― 言わせてましたね、きっと(笑)。
くるみ:あと新しいライブハウスって楽屋めっちゃ広いところ多いですよね。個人的にはステージ袖から出られないタイプ、プロレス入場の。あれがやっぱり恥ずかしくて苦手です。なんかスイッチを入れられない。やむを得ない場合は板付きにすりゃいいんですけど、私はやっぱ入場したい(笑)!
―― そうですよね。
くるみ:私これだけは言っておきたい事なのでいいですか!251は広さややり易さは勿論なんですけど、バンドをいかにかっこよく見せようかっていう音響さんと照明さんは凄いなって毎回思ってて、それは凄い。
―― ありがとうございます!
くるみ:照明が本当に凄くて曲に合わせてちゃんとやってくれるし、音響さんもリハの時点でいつも「こういう曲はこういう風に出したい、こういう風に演出したい!」って言うと、ちゃんとそれに寄り添ってくれるんですよね。うん。IRIS MONDOがよりかっこよく見える環境作りを一緒にしてくれるっていうスタッフさんは本当に251の良さだなって思ってます。以上です!
―― スタッフも喜ぶと思います!
くるみ:普段リハの時間が短かったり、環境も違うし初めて出るハコとか資料が揃ってなかったりする時も勿論あるので毎回のライブが必ず上手く行く事はないですし、たまたま上手く行かない時もあったりするけど、それでも251は寄り添ってくれる姿勢があるっていうか「できません」って言わないですよね。それが「ここをこうしたいんですけど(バンド)」って伝えて、「できません(ライブハウス)」って普段全然言われる事もあるので。
―― 事情もそれぞれかと思いますけど、良いライブを一緒に創る基本の部分ですよね。
くるみ:めちゃくちゃ大事な部分ですよ、悔しい思いをすることも全然あったので、251は全くないから最高のライブハウスです!
―― 12月4日に恒例の生誕イベントも今年は無料ワンマン開催と、ナイスアイディアと思いました。
さったん:そうですね、踏み込んで?踏み切って?やってみようかと。
くるみ:思い切って!ですね(笑)。無料ワンマンライブ否定派だったんすよ、ライブにちゃんと(有料の)価値があると思ってる否定派だったんですけどでも。今回TikTokで初めて知ってもらった方もいるので、お試しというか「どういう音楽なんだろう?」ってまず知ってもらうにはいいタイミングだなと思って。
さったん:無料ワンマンにしようと思いますってマネージャーに相談したら結構心配されました。動員とか、箱代とか。でも大丈夫、心配しなくていいって251が言ってくれたので。
くるみ:なかなかこのご時世そんなことやらせてくれるライブハウスないですから!
―― いえいえ、コロナ禍は2人に色々と助けて頂きましたから。
くるみ:あ! 362でね。はい、251癒着バンド(笑)。
さったん:真剣なお遊びバンド!
くるみ:あと私、(応援してくれる)おじさんには助けられてきたから、そうっすよ。ビジネスパートナーです(笑)。本当に!若者にはないポテンシャルがあるので、ちゃんとおじさんごと引っ張り上げて上に行きたいですね(笑)。
―― これからも楽しみですね。
さったん:縁があって今沖縄でラジオのレギュラーをやらせて頂いてるので、マンスリーで東京と沖縄で主催イベントを開催してるんですよ。その繋がりもあってSNSで知った海外のファンの方が来てくれたり香港のバンドと知り合ったり、実際海外からもオファー頂いたりということが最近立て続けにあって、自分パスポート作ったことないし英語も喋れないんですけど、今ではちょっと海外進出も視野に入れてあります。
くるみ:自分もパスポート更新しないといけないけどね、アジアから攻めていくかと思います!
―― 251もまた出演お待ちしてます!
くるみ:嬉しいね。実家に帰る気分ですね。
さったん:来年も251出る予定があるので楽しみしてます!
―― ありがとうございました。
2023.12.4.mon
“Twenties Riot – CLUB251 30th ANNIVERSARY – ”
出演:IRIS MONDO